第7回では海外に行ったことのある方なら誰もが経験をするかもしれない盗難被害についてです。物騒なトピックですが、スイス国内、近隣のヨーロッパ諸国への旅行、そして学校の寮生活などどこでも起こり得ます。
現金はもちろん日本の製品は狙われやすいので注意しないといけません。今はiPhoneやiPad、タブレット端末など日本製ではない電気製品を誰もが持っていますが、ほんの10数年ぐらい前までは日本製のデジカメや携帯音楽プレーヤーは狙われやすい物でした。今は携帯電話(スマートフォン)で何でも出来るのでこれがなくならないよう気をつけないといけないでしょう。また電子機器だけでなく文房具などの管理も大事です。そして現金をそのまま机の上に出すなどは絶対にせず財布なども常に身につけるようアドバイスをしてきました。
残念ながらスイスは安全と言われている国ですが、寮の中の私物に関しては自分で管理しないと盗られてしまう、という嫌な思いをすることがあります。お金はもちろん身の回りの電子機器やアクセサリーなども気をつけて管理しないといけません。
実は私もスイス留学の1年目を終えた最終日の日本帰国日に、入学前に新しく買ったG-Shockの腕時計を盗られすごい悔しい思いをしたことがあります。当時は腕時計やカメラなどの日本製の電子機器が狙われやすかったです。よく「スイスの学校は裕福な家庭のお子様が多いから、そういったことは起きないでしょう」と安心感が持っていらっしゃる方がいますが、世界中から生徒が集まり、それぞれ考え方も違うので、所持品は特に気をつけないといけません。
最近は各部屋にホテル同様セキュリティーボックスが備え付けてありますので、そこに貴重品を入れておくと良いでしょう。尚、パスポートは学校側が預かり管理することが多いです。スキーやスノーボードなど普段寮の部屋に置いておかない物は学校が指定する場所に必ず保管するようにしましょう。
またこれは厳密には盗難と呼べないのですが日本の食べ物も結構被害に遭いやすいです。「部屋に戻ると自分が日本からもってきたお菓子を、ルームメイトが友達と平気で食べていた」、といった事例がありました。よく日本から持ってきたお菓子やラーメンがなくなった。という声を聞きます。これは「寮の部屋にあるもの = 他人のものでも私が使って(食べて)良い」 と考えている外国の生徒さんが意外に多く、自分たちにシェアされたもの、として食べてしまうのです。上記の貴重品だけでなく日本から持ってきた食べ物で他の人に食べられたくない物があったら注意しましょう。食べ物はセキュリティーボックスに入れなくて良いですが、鍵のついたクローゼットの中に入れて管理するのが良いでしょう。
最後に、ある生徒さんに対策法を聞いて感心したことがあります。この生徒さんは、事前に2つのお菓子を用意していました。一つは(現地で容易に購入できるなどの)盗られても良いものもしくは賞味期限が切れたものを鍵がないクローゼットなどに入れておき、もう一つの自分で食べるためにとっておきたいものを鍵付きのところに保管していました。そして何日かおきに鍵が掛かってない方に入れた食べ物の有無をチェックして盗難があるかないか調べていたそうです。これはこの生徒さんにとってルームメート(もしくはその友達)を見極めるのに大変役に立ち、信頼できるルームメートや友達と一緒に日本から持ってきたお菓子を楽しんでいたそうです。しかしお菓子は買い直せますが、携帯電話やその他の電子機器やサングラスやアクセサリーなどの装飾品だったら簡単には買い直せません。限定品だったら悔やんでも悔やみきれません。「学校の管理が・・・」、という話も向こうには通じずせいぜい盗難保険がおりるぐらいです。どんなに世界的な評判が良くても、こういった被害に遭うと学校にも他の生徒にも信頼をおくことができなくなってしまいますので、身の回りの所持品には常に注意を払う必要があることを入寮前に知っておくと留学中嫌な思いをしなくて良いでしょう。