第2回で取り上げるのは、「なぜ留学先がスイスなのか?」。これもとても良く聞かれる質問です。私は中学校に在籍していた時は正直「高校生から留学する」という意識は持っていませんでした。当時私の両親は「高校の多感な時期を受験のためだけに過ごしてきて良いのか」という思いがあり、進路をどうするか考えていた時に同い年の従姉妹が留学先を探していました。そして叔母さんから「スイスの学校(レザンアメリカンスクール)の代表が大阪に来るよ」という情報をもらいました。従姉妹は結局他国へ留学しましたが、私はその伝だけを頼りに留学先の情報を得に関西の説明会に行きました。当時大阪にレザンアメリカンスクールの大きな窓口がありました。説明会ではレザンアメリカンスクールの紹介、レザンそしてスイスの環境、寮生活や勉強についていろいろ話を聞いて行ってみたいと思いました。志望動機は本当に単純で、「英語を話せるようになりたい」と「外国人の友達を作りたい」でした。しかし英語レベルは公立の中学レベルでテストは悪くありませんでしたが、英会話は第1回で書いたように全くと言っても良いくらい話せませんでした。
スイスの環境についてはとても魅力的に感じました。スイスの大自然、世界中から集まる留学生、フランスやドイツやイタリアと国境を接するスイスという国の国際性豊かな特色や安全性。これは他のスイスの学校でも提供しているアカデミックプログラム以外にスイスの特色として紹介されることが多いです。
余談ですが、私は小学生の時より小児喘息を患っていましたので、この大自然と山の上の空気の良さにも惹かれこうした環境の良さも決め手になりました。
しかし学校見学をしなかったこと、他の学校を調べなかったことは今から思うと少し失敗したと思いました。レザンアメリカンスクールでの3年間の高校生活には特に不満はありませんでしたが、スポーツの練習試合などで他にスイスの学校があることを知ったこと、そして山の上の学校は期待通りの自然環境でしたが、日々の買い物や交通の便が不便だったことが入学後に分かりました。これは当時留学を決めたことが遅かったことで、従姉妹の情報源以外に他の学校の選択肢を調べなかった事が原因でした。
今だったらまずインターネットで検索を掛けて学校名を調べ、そして細かな情報を元に留学候補校(志望校)を絞っていくでしょう。これが出来ていませんでした。しかし中学まではどちらかと言うと内向的だった自分が積極的になりとても有意義な高校生活が送れたこと、今でも世界中に連絡を取り合える友人がたくさんできたこと、これらは自分の生涯の財産になりました。
最後に、レザンアメリカンスクールの職員時代、よく1日で何校も学校見学する方を見かけましたが、これは志望校を絞るのに良くない方法です。なぜなら1校にゆっくり時間が取れない事、後に訪問する学校ほどお子様が疲れていること、最初の学校の印象が薄れていってしまうからです。数日しかない休みに出来るだけ現地で情報を得て、と考えているのだと思いますが帰国後は何が(どこが)良かったのか結局分からなくなり、志望校を決断するのにブレる恐れがあるからです。
次回は志望校選びについて書いていきたいと思います。